ミック経済研究所が2008年11月に発表した、「生体認証型ソリューション」の市場調査リポートでは、今後、入退室管理やPCログインでの利用が拡大していくと予測している。
同研究所の調査によると、生体認証ソリューションの採用用途別では、入退出管理が42%、PCログインが36%。2008年度の市場規模は235億円で、2009年度以降は平均16.9%の成長率で成長し、2012年度には見込み額が441億4000万円になるとしている。
ミック経済研究所のアナリスト、川野義則氏は、この成長率について「非常に大きな成長」としている。生体認証が、銀行ATMなどへの導入により、目に触れる機会が増えたことから認知率が上がり、導入までの障壁が少なくなったためという。
「コスト削減の観点からは、主に人的リソースの削減が見込まれる」と川野氏は言う。重要施設の入り口や受付に警備員を配置して目視で認証をする企業が多いことを川野氏は指摘し、さらにICカードによる入退室管理では、カードの貸し借りによって「なりすまし」が発生するため、実際に人的リソースの削減には至らないという。
生体認証では「なりすまし」を防止し、確実な本人認証ができる。今後はセキュリティだけでなく、コスト削減の観点からも生体認証の導入が広がると考えられる。
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