モノプソニーって知ってる? 金融力を高めるスマホゲーム

» 2020年06月03日 09時57分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 企業が特定分野の生産を独占する「モノポリー」は、経済用語として有名だ。では、「モノプソニー」という言葉をご存知だろうか?

 Finatextが運営するスマホゲーム「かぶポン!」は、若年層の金融リテラシーを高めるためのゲームだ。毎日出題されるクイズに答えることで、お金の感覚や知識を身に付けることを狙う。5月25日に、かぶポン!の運営局がオンラインイベントを開催し、高校生大学生がクイズ形式で、金融知識を競った。

参加者の皆さん。右上は同イベントのモデレータを務めた大阪大学の安田洋祐准教授

 出された問題は次の12問だ。

  1. 為替レートが1ドル100円と1ドル120円、アメリカ旅行に行くのにオトクなのはどっち?
  2. 現在廃止された100兆ジンバブエドル、廃止前に日本円でおよそ何円くらいだったでしょうか。
  3. 任天堂は来期の純利益が前期比22.7%減という業績予想を発表しました。この理由は?
  4. 景気変動や経済成長を推測できる指標「GDP(国内総生産)」ですが、それに含まれないものはなんでしょう?
  5. 補完財について、Aに対して補完財Bの消費関係を表すグラフのうち、正しいもどれでしょう
  6. AKB48のCD(劇場盤)は、1枚あたり約何円で購入できるでしょう?
  7. 世界の創業200年以上の企業のうち、日本企業が占める割合は?
  8. ある商品を“買う”事業者が1社のみである状態を何というでしょう?
  9. (点数が正規分布に従う)テストで偏差値が63だったA君。さてA君は上位何%に入っているでしょう。
  10. 大卒初任給の現在の平均は21万200円ですが、昔(1968年時点)では次うちどれだったでしょう?
  11. ディズニーランドで、学生割引があるのはなぜでしょうか?
  12. 平成元年と令和元年の時価総額ランキング1位の会社の組み合わせとして正しいのは?

 さて、冒頭に挙げた「モノプソニー」の答えは、「ある商品を“買う”事業者が1社のみである状態」のことを指す。談合などと関連してしばしば問題となる売り手独占(モノポリー)に対して、買い手独占だ。

 かぶポン!の監修者で同イベントのモデレータも務めた大阪大学准教授の安田洋祐氏は、「例えばUber Eatsと配達員の関係。交渉力の強い企業が、弱い労働者に対して独占力を発揮してしまうことを指す」と説明した。今後増加が予想されるシェアリングエコノミーにおいて、注意が必要な用語だろう。

金融広報中央委員会による「金融リテラシー調査」より。年齢が上がるに連れて、金融リテラシーが高まるのがわかる。また、金融リテラシーは年収ともきれいに相関している

 金融庁の調査によると、金融リテラシーは年齢が上がるに連れて増加することが分かっている。同イベントの主催者であるFinatextの木下あかねCEOは、「これから社会に出たり、出たばかりの18歳〜29歳の金融リテラシーがこんなに低くていいのか。ここが大きくなれば、日本は金融リテラシーが高い国になる」と、かぶポン!の意義を話した。

スマホゲーム「かぶポン!」

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