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Suica決済に対応したGarminのスマートウォッチで買い物レビュー ついにApple Watch以外の選択肢が登場(1/3 ページ)

» 2020年05月22日 20時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

 ガーミンジャパンが販売している、Garminブランドのスマートウォッチの一部モデルが、5月21日に交通系ICカード「Suica」の決済に対応した。今回Garminのスマートウォッチを試用する機会を得たので、Suica機能や使い勝手に絞ってレビューしていく。

GarminのスマートウォッチがSuicaに対応

GarminがSuicaに対応した意義

 Suicaに対応しているスマートウォッチというと米Appleの「Apple Watch」シリーズが挙げられるが、筆者の知る限りでは他にSuicaに対応したものはない。ソニーの腕時計用スマートバンド「wena wrist」がFeliCa規格に対応しているが、iDや楽天Edyなどのサポートにとどまっており、Suicaには対応していない。

 スマートウォッチの機能として電子マネー、特にSuicaが重要と考えている人にとっては、GarminのスマートウォッチがSuicaに対応したのは、Apple Watch以外の選択肢ができたという意味で大きいだろう。

 GarminのスマートウォッチはiOSとAndroidの両OSに対応しているというのも大きい。iPhoneユーザーにとってはApple Watch以外の選択肢となるし、Androidユーザーにとっては初のSuica対応スマートウォッチとなる。

Garmin製品のSuica各機能・サービスへの対応状況(公式サイトより)

Garminのスマートウォッチはどんな製品?

 今回試用したのは「Venu」。定価4万9800円(税別、以下同)で、円形の有機ELディスプレイや光学式心拍計、GPSなどを搭載する同社スマートウォッチのメインストリームモデルだ。

Garminの「Venu」

 本体に音楽データを保存し、ワイヤレスイヤフォンと直接接続してスマホなしで音楽を聴ける機能があり、ジョギングなどフィットネス用途を意識している。スイミングやシュノーケリング程度に耐える防水性能も持つとしている。バッテリー駆動時間はスマートウォッチとしての使用で最大5日間、音楽再生とGPSトラッキングを使うモードで最大6時間、GPSのみのモードで最大18時間だという。

 GarminのスマートウォッチはVenu以外もスポーツやフィットネス用途を強く意識しており、運動のログを詳しく見たいというユーザーに支持されていることでも知られている。

バッテリー駆動時間はまずまず?

 今回は試用のため、実利用でのバッテリー駆動時間は未評価だが、公称通りのバッテリー駆動時間であればまずまずといったところだろうか。

 筆者がスマートウォッチの機能の中でも重要視しているものの一つがバッテリー駆動時間で、これが短いと充電する頻度が増えて付け外しが手間に感じてしまう他、装着を忘れてしまうことも多くなる。睡眠中は外すという人ならそれほど問題はないかもしれないが、筆者の場合は睡眠トラッキングのデータも取得したいため、稼働時間は長いことに越したことはない。

 筆者がこれまで使ってきたスマートウォッチの実利用での稼働時間は、反射型のメモリ液晶ディスプレイを備える米Pebble Technology(米Fitbitが買収しブランドは消滅)の「Pebble Time」と中国Huamiの「Amazfit Bip」が約1週間、有機ELディスプレイを備える中国Huaweiの「HUAWEI WATCH GT(42mm)」が約1週間、米Fitbit(米Googleが買収)の「Fitbit Blaze」が約5日間。

 Venuの稼働時間がほぼ公称値通りとすれば、他社の長時間稼働モデルにはやや及ばないものの、毎日充電に追われる心配はなさそうだ。

 Suica対応モデルの比較という観点では、Apple Watchシリーズの稼働時間は1〜2日であるため、(公称値通りの稼働時間なら)Venuの方に優位性があると考えていいだろう。

 GarminのSuica対応製品でより長時間動くモデルが欲しい場合は、ハイエンドモデルの「fenix6X Pro Dual Power」シリーズ(13万円)を検討してもいいかもしれない。ソーラー充電に対応しており、バッテリー駆動時間は公称値で24日間だ。ただし、ゴツくて重そうではある(82g。Venuは46.3g)。

「fenix6X Pro Dual Power」

Suica決済の速度は「カードとほぼ同じ」 機能性ではApple Watchに軍配

 Venuのスマートウォッチとしての概要を見たところで、いよいよSuicaの設定方法や使い心地を見ていきたい。

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