マイクロフォーサーズ規格第一弾がパナソニックから登場した。「DMC-G1」(以下、G1)である。話題の「レンズ交換式デジタルカメラ」だ。
「デジタル一眼」(レフレックス式じゃないので、「レフ」はつけない)と呼ばれているが、使用感は「一眼レフ」に迫るのか、それとも「レンズ交換可能なハイエンドなコンパクトデジカメ」なのか。小さなレンズ交換式カメラが欲しい人にとってどうなのか、コンパクトデジカメからのステップアップとしてはどうなのか。
気になるポイントは山ほどある。
早速手にしてみると、写真で見るより「ずっと小ぶり」だ。重さも本体のみで約385グラム、撮影時重量も実測で約635グラム(レンズ、フード、メディア、バッテリー含む)と、他のデジタル一眼レフに比べてかなり軽い。
いざ撮ってみると不思議な感じ。持った感じは「超軽量一眼レフ」なのだが、使用感は「快適なハイエンドコンパクトデジカメ」である。ファインダーがEVFだったりAFがコントラスト検出AFだったりミラーの開閉によるショックがないせいだが、そのひとつひとつがハイクオリティで小気味よく動くので、コンパクトデジカメのような「ちょっともたつく感じ」はない。逆に、一眼レフのようなメカっぽい感じもない。新鮮だ。
ではボディから見ていこう。
APS-Cサイズのセンサーを使ったデジタル一眼レフではもっともコンパクトな部類に入るニコン「D40」と並べてみた。
マイクロフォーサーズの特徴は「フォーサーズ」システムと同じ4/3型の撮像素子を用いながら、実質的に「ミラーボックスを排した」こと。ミラーボックスがないため一眼「レフ」ではないのだが、ミラーボックス分のスペースが不要になったため、撮像素子とレンズの間の距離を短くなり(フランジバックが短い)、コンパクトな本体を作れる。
レンズキャップを開けてみると、撮像素子がむき出しになってるのが分かる。一眼レフではマウントの奥にまず「ミラー」があるので撮像素子はもっと奥に入っているし、こんな風に見えることはない。実際の撮影は「メカシャッター」を使うので、このように一瞬シャッター幕が開閉する。だからリアルなシャッター音はする。一眼レフでは(特に安価な軽量製品ほど)ミラーが上下するときの音やショックがあるのだが、G1にはそれがないのだ。
使用できるレンズは「マイクロフォーサーズ専用レンズ」。撮像素子自体は「フォーサーズ」と同様だが、フランジバックが半分になったことやレンズとマウントの接点が2つ増えた(さらにマウント径がちょっと小さくなった)ことで専用のレンズが必要になった。当面、この規格用のレンズは、G1のレンズキットに付属する「14-45mm F3.5-5.6」(今回はこのレンズを使用)と望遠用「45-200mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S.」の2本だけだ。
さらに2009年には「14-140mm」、「7-14mm」、「20mm」の単焦点レンズが登場する予定で、当然オリンパスからもマイクロフォーサーズ専用レンズが出てくるはずだからそれなりに数は増えていくだろう。
また、同時に発売された「マウントアダプター」を使えば従来の「フォーサーズ用レンズ」も使える。アダプタをつけることで、撮像素子とレンズとの距離を従来のフォーサーズと同じに保つので、焦点距離などはまったく変わらない。
ただし、コントラストAF対応レンズでないとMFのみになるし、発表会時の話ではマイクロフォーサーズ専用レンズに比べるとAF速度はちょっと落ちるというので注意。
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