2007年度に最も売れた携帯はauの「W52SH」(シャープ製)だった。
W52SHは、シャープのau向け端末として3世代目となる機種として2007年7月に発売された。2.8インチのワイドディスプレイと厚さ17.6ミリのスリムな回転2軸ボディにワンセグやFeliCaなど、2007年にニーズが高かった機能をしっかり備えたモデルに仕上げたのがポイントの1つと思われる。初登場から36回連続でランクインし、そのうち21回首位(登場2週目から18回連続首位)を獲得した人気機種だった。
続いて2位にドコモ総合首位の「FOMAらくらくホンIII」(富士通製 2006年9月発売)、3位にドコモの「SH904i」(シャープ製 2007年夏モデル)、4位に「F904i」(富士通製 2007年夏モデル)、5位に「P905i」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製 2007年冬モデル)が入った。
2007年度は、番号ポータビリティによるユーザー流入出に関連し、auとソフトバンクモバイル端末の台頭が目立った。契約者シェアトップであるドコモ端末の販売数が多いのはある程度予想できるものの、W52SHや「EXILIMケータイ W53CA」(年間7位)、「812SH」(年間8位)のランクインは、それだけドコモから他社へ流出し、新たにそのキャリアの機種を購入したユーザーがいたことを物語る結果の1つと考えられる。下半期はこの傾向がより顕著に表れている。
とはいえ、ドコモ端末の存在感は依然高いレベルにある。2007年11月に発売した905iシリーズの最人気機種 P905iは下半期1位、対象集計期間が短い年間ランキングでも各社の秋冬モデルで唯一ランクインしている。
2007年の年間純増数・番号ポータビリティ流入数トップのソフトバンクモバイルは、カラーラインアップが豊富な812SHのみがランクインした。売れ筋の傾向を一変させたドコモとauの新販売制度より早期に「新スーパーボーナス」を開始し、ユーザーにもある程度浸透していた。中には2台目(サブ)端末として値下げされた旧機種全般を「新スーパーボーナス一括」の手段で購入するユーザーも多く存在したことなどから、機種そのものの人気が分散されたためと思われる。
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