ケータイサイトを審査・監視する「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」創立

» 2008年05月01日 16時35分 公開
[ITmedia]

 モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)が4月30日、創立記念総会を開催し、初年度の役員や委員を選定。初年度の活動内容を承認したほか、会員名簿なども公開した。

 EMAの主な活動目的は、青少年らが安心して利用できる“健全”なケータイサイトの認定や、認定したサイトの監視を行うこと。すでに携帯電話キャリア各社が導入している、ホワイトリスト方式、もしくはブラックリスト方式での画一的なサイトのアクセス制限を行うのではなく、ユーザーの成長段階などに応じて適宜モバイルコンテンツを利用できる環境作りを目指す。

 この日発表した設立趣意書の中でEMAは「青少年の発達段階に応じた主体性を確保しつつ、違法・有害情報から保護し、モバイルコンテンツの健全な発展を促進する施策を総合的に実行する」と表明している。

 主な事業内容は以下の3つだ。

  • モバイルコンテンツの健全化事業
  • 青少年の発達段階に応じた主体性を確保した上での受信者の保護育成事業
  • 受信者の利便性の向上に関する事業

 さらに、これらに付帯する事業についても手がける。簡単に言うと、健全なサイトの認定と監視に加え、啓発プログラムや教育プログラムによる青少年の教育や、レイティングなどによるフィルタリング以外の方法での健全性確保を狙う。

 EMA内には、基準策定委員会と審査・運用監視委員会の2つの委員会を置く。委員会は、理事会が基準策定や審査・運用監視に関して利害関係を持たない有識者の中から選任する10人以内の委員で構成する。委員の任期は2年だが、再任も可能だ。

 基準策定委員会では、ケータイサイトの質的向上を図るための個別分野ごとの基準案を策定。諮問会議に諮って基準を策定する。なお基準を検討する際には、委員会がワーキング・グループ(WG)を置くことができ、すでに「啓発・教育プログラム部会」「違法コンテンツ対策部会」「カテゴリー基準検討WG」「企業情報サイト検討WG」「公共・教育サイト検討WG」「表現系コンテンツ検討WG」「健全コミュニティ検討WG」の7つの設置が予定されている。

 審査・運用監視委員会では、承認された基準をもとに、申請されたケータイサイトの審査を行い、認定を行うほか、審査後は基準に合ったサイト運営を行っているか監視する。監視の結果、問題が発見された場合は勧告や見解の通知を行って、改善計画の提出を要請する。さらに消費者や事業者からの苦情も受け付ける。認定作業は早ければ6月後半から始める計画だ。認定されたサイトには専用のマークを掲載してもらい、1年ごとに更新する。

Photo EMAの委員会構成図(EMA創立記念総会議事資料より)
Photo EMAにおける審査・監視のフローとクレームの反映方法(EMA創立記念総会議事資料より)

初年度の代表理事や委員などを選出

 EMAの代表理事には一橋大学名誉教授の堀部政男氏が就任した。事務局長は虎ノ門南法律事務所の弁護士、上沼紫野氏が務める。

 基準策定委員会の委員は、虹の橋法律事務所 弁護士の岩崎政孝氏、主婦連合会の木村たま代氏、ECネットワーク 理事の沢田登志子氏、國學院大學法学部 准教授の高橋信行氏、慶應義塾大学 教授の中村伊知哉氏、イプシ・マーケティング研究所 代表取締役社長の野原佐和子氏、そして金沢星稜大学 教授の村井万寿夫氏をまずは選任した。審査・運用監視委員会には弁護士の市川穣氏、慶応大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構准教授の岸博幸氏、東京大学 教授の長谷部恭男氏、一橋大学大学院 法学研究科教授の松本恒雄氏が就任。そのほかの委員も理事会で随時選任する。

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