2007年度に最も売れたNTTドコモ端末は富士通製の「FOMAらくらくホンIII」だった。
FOMAらくらくホンIIIは、「しんせつ/かんたん/あんしん/見やすい」をテーマに携帯初心者や年配ユーザー向けのユニバーサル携帯として2006年9月に発売された。文字を大きく見やすくする工夫、周囲の騒音レベルを検知して音量を自動調整する「はっきりボイス」や2つのマイクでノイズを低減する機能、周囲の光量に応じて画面の明るさを自動調整する機能、緊急時に大音量アラームとともに設定した電話番号へ通知する機能、130万画素カメラ、歩数計・拡大鏡機能などを備え、プレーンなデザインとともにその使いやすさを工夫した機能が多くのユーザーに評価された。
らくらくホンシリーズは近年、90xiシリーズとともにドコモの主力機種と言えるほど年間を通して売れる機種に成長した。90xi、70xiシリーズの売れ行きが鈍る“商戦期の狭間”の時期も販売数は大きく落ちず、結果、ランキングの首位に立つ動きを見せている。FOMAらくらくホンIIIは11月第4週まで33週連続でランクインし、そのうち11回首位を獲得した(ちなみに、昨年の2006年下半期ランキングでも7位に入った)。8月に入ると、後継機種の「らくらくホンIV」が登場。以降、人気はらくらくホンIVに引き継がれた。
らくらくホンIVも2007年度9位、下半期2位を獲得し、2008年4月現在でも首位を獲得するほどの人気機種となった。2008年度はバリエーション追加モデル「らくらくホン プレミアム」やカラーを変更するとともに分割購入できるようにしたリニューアルモデル「らくらくホンIVS」「らくらくホン ベーシックS」も発売し、らくらくホンシリーズを望む層に向けたラインアップはより強化された。このトレンドを他社も見逃すはずはなく、auは「簡単ケータイシリーズ」、ソフトバンクモバイルは「かんたん携帯シリーズ」などを投入。今後も熱い市場となる予感だ。
主力の90xiシリーズは、年間2位にシャープ製の「SH904i」、3位に富士通製の「F904i」、4位にパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P905i」、5位にシャープ製の「SH903iTV」、6位にパナソニック モバイル製の「P904i」、7位にシャープ製の「SH903i」、10位にNEC製の「N904i」が入った。年間では集計期間が長かった2007年夏モデルの904iシリーズが順当に多くランクインした印象だ。
一方、下半期のランキングは2007年冬モデルの905iシリーズ(2007年11月発売)にがらっと刷新された。下半期1位にパナソニック モバイル製の「P905i」(年間4位)、3位にシャープ製の「SH905i」、5位にNEC製の「N905i」、8位に富士通製の「F905i」、10位に三菱電機製の「D905i」が入った。このうちP905iは905iシリーズで唯一年間4位にも入り、905iシリーズの中でも特に人気が高かったことがうかがえる。
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