Twitterは進化をやめないTwitter定点観測(1/3 ページ)

Twitterは日々進化を続けている。公式機能としてのRTの実装や新たなトレンド分析サービスの台頭はユーザーの働き掛けから広がったものだ。一方で選挙活動において政治家はTwitterを使えなくなるなど、問題も見えてきた。8月中旬のTwitter動向を振り返る。

» 2009年08月22日 08時00分 公開
[小林啓倫,ITmedia]

 Twitterの進化が止まらない。

 140字のメッセージを投稿するという機能こそ2006年7月の登場からそのままだが、月日を重ねることにさまざまな機能が追加されていった。またサードパーティーがAPIを通じて開発したツールやサービスの数も増加傾向にある。Twitterの進化は、利用者の積極的な働き掛けによるものが大きい。

 一口にTwitterといっても、その姿や使い道は多岐にわたっている。そこで今回はTwitterの「機能」「関連サービス」「使い方」の3つを中心に、8月中旬のTwitter界隈を振り返ってみよう。

RTの実装計画が明らかに

 「RT(ReTweet:リトゥイート)」とは、ある利用者の発言をほかの利用者が引用して再発信(転送)する行為を指す。RTにはいくつかの書式があるが、発言に「RT」という単語を入れて引用であることを明記し、発言者のIDを掲載するという点では一致している。

 書式が統一されていないのは、利用者側から生まれた使い方のためであり、RTの目的も「ほかの利用者に面白い発言を紹介するため」「会話の文脈を分かりやすくするため」など人によってさまざまだ。

 書式や目的が統一されていないとはいえ、RTを使った発言のやり取りは、利用者の間で一般的になっている。Web調査会社Pear Analyticsによると、RTはTwitter上のやり取りの約9%を占めている。大きな事件や事故、自然災害の発生情報が、RT経由で非常に素早く広がるケースもめずらしくない。

 こうした動きから、サードパーティーが開発したTwitterの閲覧/投稿用のアプリケーションである「Twitterクライアント」が多数生まれた。その中には、ボタンをワンクリックするだけで発言をRTできる機能も存在している。またRTを集計して人気のトピックを割り出すサイトも登場している。

 しかしRTはTwitterの公式機能ではない。そのため「どう書けばいいのか分からない」といった意見も根強い。

 こうした声を配慮したのか、Twitterは8月17日、RT機能の実装を計画していることを明らかにした。発表によると、タイムライン上に表示される「お気に入りに登録」「返事」ボタンと同じ位置付けで、「RTボタン」が設置される。Twitterへの実装と同時にAPIも公開する予定という。RT関連のツールを開発するサードパーティーにとっても朗報だろう。

 Twitterでは、利用者が自分たちで作りだしたルールによって、Twitterの使い勝手を向上させてきた。利用者の発言をまとめる「ハッシュタグ」などの使い方は、今回のRTと同様に公式機能として採用された。RTが公式機能として実装されることで、RT文化はますます定着していく。そして利用者主導による機能の進化は、今後もTwitter上では巻き起こっていくだろう。

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