玉乃光酒造、営業プロセス改革にSalesforce CRMを活用酒造メーカーの営業支援

300年の伝統を持つ中小酒造メーカーの玉乃光酒造が、「Salesforce CRM」を活用し営業プロセス改革に取り組んでいる。

» 2009年04月09日 13時42分 公開
[ITmedia]

現場での利用定着をさらに進める

 玉乃光酒造は「Salesforce CRM」を2006年に導入、当初は、営業担当のスケジュール共有のみの利用から開始したという。その後07年初めに、販売管理システムのデータを日次で取り込む体制を確立、Salesforce CRMのダッシュボード機能を利用して、日々の売り上げや対前年比の売り上げなど、さまざまな指標の売上データを可視化できるようになった。この結果、売れ筋商品を会社全体で把握できるようになり、Excelなどで売上分析に取り組んでいた個々の営業担当者は、その業務に費やす時間を軽減できるようになったという。

 玉乃光酒造は、このような経緯を経て営業担当者のITに対する慣れを促し、08年10月に営業プロセスの改革に着手。現在、Salesforce CRMのSFA(営業支援)機能の利用第一段階として、営業担当者がそれぞれの活動予定を立て、実際の商談内容を週報ベースで入力している。現場での利用定着は支店ごとでばらつきがあるものの、特に競争の激しい地域である東京支店における商談の進捗状況はリアルタイムで把握できるようになった。今後は、他の支店でもSalesforce CRMの利用を定着させ、会社全体で戦略的な営業活動を行っていくという。

 近年、国内外のさまざまな酒類が流通し、競争が激化する市場の中で、日本酒の消費量は伸び悩んでいる。こうした背景とIT活用について、玉乃光酒造の高橋一紀取締役管理部長は、次のように話す。

 「いまだ多くの日本酒メーカーの主流な考え方は、良い酒を造れば売れる、というものですが、これからの時代は、確固とした方針に基づく戦略的な営業活動が不可欠です。Salesforce CRMは、戦略営業を実現するために必要な“営業マン1人ひとりの自律的な活動”を支援できるツールだと思います。今後さらに利用を定着させることで事業を活性化し、ひいては当社が先頭に立って、おいしく、かつ、身体にやさしい純米吟醸酒を一層広め日本酒業界を盛り上げていきたいと考えています」

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