Google、OpenGL互換環境を提供する3Dグラフィックスエンジンを発表

Googleは、「OpenGL ES 2.0」のJavaScript向け実装「WebGL」をオープンソースプロジェクトとして推進する。OpenGL互換とすることで、Windows環境での普及を狙う。

» 2010年03月23日 13時34分 公開
[末岡洋子,SourceForge.JP Magazine]
SourceForge.JP Magazine

 米GoogleのChromeチームは3月18日、オープンソースプロジェクト「Almost Native Graphics Layer Engine(ANGLE)」を発表した。Windows向けの技術で、これを利用することでGoogle ChromeなどのWebブラウザから3Dレンダリング技術「WebGL」を利用しやすくなるという。

 WebGLはWebブラウザ上で3Dコンテンツをレンダリングする技術の1つ。WebGLは「OpenGL ES 2.0」のJavaScript向け実装で、HTML5のCanvas要素内に3Dオブジェクトをレンダリングしたり、操作することができる。WebGLはOpenGLなどの仕様を策定するThe Khronos Groupが標準化を進めている。

 ANGLEはOpenGL ES 2.0のAPIコールを、DirectX 9.0cのAPIコールに変換して実行するグラフィックエンジン。WebGLを動かすのに必要となるOpenGLはMac OS XやLinuxでは広く普及しているが、Windows環境では標準のマルチメディアAPI群であるDirectXが利用されることが多く、OpenGLドライバがインストールされていない環境も多い。互換性レイヤを設けることで、OpenGLドライバがインストールされていないWindowsマシンでもWebGLコンテンツを利用できるようになると説明している。

 プロジェクトではOpenGL ES 2.0 APIのほとんどを実装するため、モバイルや組み込み向けアプリケーション開発者も利用できるという。ライセンスは修正BSD Licenseを利用する。



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