FTC、Intelを独禁法違反で提訴AMDとの和解の後に

米連邦取引委員会はIntelが「後れを取っているGPU市場でも非競争的行為を行っている」として同社を提訴した。Intelは11月にAMDと包括的和解に達し、EUとの訴訟に注力しようとしていた。

» 2009年12月17日 10時57分 公開
[ITmedia]

 米連邦取引委員会(FTC)は12月16日、米半導体大手のIntelを、独禁法違反の疑いで提訴したことを明らかにした。FTCによると、Intelは半導体市場における独占的な地位を利用し、Dell、Hewlett-Packard(HP)、IBMなどのメーカーに対し、他社のCPUを使わないよう過去10年間にわたり圧力を掛けていたという。

 FTCの訴訟によると、こうした取引上の違法行為だけでなく、コンパイラをひそかに再設計し、競合する他社製品が十分に性能を発揮できないようにしていた。Intelはこのコンパイラでの性能比較に基づき、顧客に対し自社のCPUの優位性をアピールしている。

 Intelはこうした策略によってAMDなどの競合を退けることに成功してきたが、GPU市場で再びNVIDIAなどの競合に後れを取りつつあるとFTCは指摘する。GPUは3Dグラフィックス表示のための半導体で、CPUの重要性を脅かす可能性を持つ。そのためIntelは、CPU市場での策略と同じ方法を使ってGPU市場での競合問題を解決しようとしているという。

 こうした非競争的被害を是正するため、FTCはIntelに対し排他的取引を目的とした圧力や値引き、競争妨害などの禁止を検討している。行政法判事による審判は、2010年9月15日に予定されている。

 Intelはこれを受けて同日声明を発表し、同社は公正な競争を行っており、法に違反したことはなく、FTCの提訴は誤解に基づいているとした。

 Intelは11月にAMDと包括的な和解に達しているが、欧州委員会およびニューヨーク州との独禁法訴訟を抱えている。

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