偽プロフが作られたとき、どのように対応すべきか。削除依頼するか、徹底的に無視するか、それとも……。あるお父さんが息子のネットいじめと戦った軌跡を紹介する。
前回までのあらすじ
中学2年生のサトルくん(仮名)が学校でいじめられている。サトルくんに成りすましたプロフ(主に携帯電話で利用される、自分のプロフィールページを作成できるサービス)、いわゆる偽プロフを作られ、その中で誹謗(ひぼう)中傷が繰り広げられているというのだ。その事実を知ったお父さんは、サトルくんに自分の気持ちを素直に語り、解決法を話し合った。
この記事で紹介する出来事は、本人が特定されないように性別、学年、時期などを一部変更しています。筆者が実際に行ったアドバイスは、出版社の許可を得て『子どもをネットから守り、ネットで育てる〜頼れるお父さんになるための実践アドバイス』(翔泳社、吉田賢治郎著)から引用しています。
プロフは自己紹介サイトであり、掲示板や日記などはプロフとは別に用意してリンクが張られているものが多いようだ。サトルくんの成りすましプロフ(以下偽プロフ)の自己紹介は、以下のような内容だった。わたしのような他人からは何の問題もないものに見えるが、サトルくんや友達の気持ちを逆なでするには十分なものだった。
前世 ヒトラー
似ている芸能人 ウ〜パ〜ル〜パ〜
趣味 レストラン裏のごみあさり
好きな食べ物 マキ、ユキ、カナ
愛用の香水 隅田川のどぶ水、便所の水
1番欲しいもの お母さん
良く遊ぶところ 女子更衣室のとなり。ときどき隣を観察。
※ 野球チーム、芸能人などの固有名詞が入ったものは削除しました。また、プロフサイトや個人が特定されないように、一部内容を削除、変更してあります
自己紹介の最後に張られていた日記のリンクは、サトルくん自身のものだった。サトルくん本人や友達以外が見ても、このプロフが成りすましとは分からないだろう。
偽プロフでのいじめ解決の難しさはここにある。
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