「ウイルス対策は命が尽きた」 Symantecが重点シフト

ウイルス対策製品による攻撃の防止から、APT攻撃(執拗なサイバー攻撃)に対抗するための検出・対応へと重点をシフトする。

» 2014年05月07日 07時28分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 特定の標的を狙って執拗に攻撃を仕掛ける「APT攻撃」が台頭している現状に対応して、米Symantecは従来のようなウイルス対策製品による攻撃の防止から、APT攻撃を念頭に置いた検出・対応へと重点をシフトする姿勢を打ち出した。5月5日には新しいアプローチに基づく企業向け製品のロードマップを発表している。

 これに先立ち4日付の米紙Wall Street Journalは、ウイルス対策は「命が尽きた」とするSymantecの情報セキュリティ担当上級副社長ブライアン・ダイ氏の発言を紹介。同氏は「ウイルス対策ではどうやっても収益は出ない」と言明している。

 Symantecの発表によれば、ATP攻撃が横行する中で、組織がネットワークセキュリティベースの対策を講じていても、多数のインシデントに見舞われ、攻撃にさらされているのが現状だ。このため「現在のような標的型攻撃に対抗するためには、防止から検出・対応へと重点を広げる必要がある」と判断した。

 そうした新しいアプローチに基づき打ち出した新製品のうち、管理型サービスの「Symantec Managed Security Services -Advanced Threat Protection」は、従来のセキュリティ製品では対応できなかったゼロデイ攻撃なども検出して封じ込めることを目指す。米国で2014年6月から提供を開始する予定。

 一方、エンド・トゥ・エンドソリューションの「Advanced Threat Protection Solution」は半年以内にβ版を、1年以内に正式版を公開予定。こちらはエンドポイントとメール、ゲートウェイを網羅するAPT対策の提供を目指している。

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