組織内コミュニケーションを勘違いしているマネージャーになっていませんか?サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(1/3 ページ)

» 2014年04月28日 09時28分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

著者プロフィール:サカタカツミ

 クリエイティブディレクター。就活や転職関連のサービスをプロデュースしたり、このような連載をしていたりする関係で、そちら方面のプロフェッショナルと思われがちだが、実は事業そのものやサービス、マーケティング、コミュニケーションの仕組みなどを開発するのが本来の仕事。

 直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」「MakersHub」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』『就職のオキテ』。この連載についても、個人的に書いているブログでサブノート的なエントリーを書く予定。Twitterアカウントは@KatsumiSakata


(写真はイメージです)

 ある日、移動時間と打ち合わせのタイミングの関係で、ちょっと早いタイミングでランチをとる必要があった私は、開店直後のカジュアルなレストランに駆け込みました。客がいない、ということはつまり、オーダーが早く通って、サクッと食事を済ませることができるともくろんだからです。

 差し込む日差しは、木を豊富に使ったナチュラルな雰囲気のインテリアにピッタリ。店員は明るく元気、そして、談笑しながら仕事に勤しんでいるので、チームワークよく見え、楽しそうでした。絵に描いたような素敵な場所での私の“早弁”は、残念ながら、期待とはまったく違うものとなってしまいました。

 私がその雰囲気に馴染まなかった……のかどうかはともかく。開店はしていたけれど、ランチの準備はできていなかったようで、料理が出てくるまでに、ずいぶんと時間がかかってしまったのです。一方、店員どうしのおしゃべりは盛り上がり続けていました。系列店の人事の話や、退店したスタッフの恋愛事情、自分の就活のこと……トークのテーマは盛りだくさんで、皆口ばかり動いていて手は動かない印象、なにより、ポツンといる客のことなどおかまいなしです。

 この飲食店は、客(私に限らず)から見れば眉をひそめてしまうような場所と言えます。しかし従業員としては、とても働きやすい、“いい店”。なぜなら、従業員同士とても仲が良くて、一人でいる客がうるさいと感じるくらい、コミュニケーションの量も多いのですから。……こういう勘違い、なにも飲食店に限ったことではないのです。

組織の風通しを良くすることで、パフォーマンスが向上?

 最近、社内でのコミュニケーションの量を増やす必要がある、と感じている企業が少なくないようです。かつての日本の組織は「飲みニケーション」文化により、仕事以外でのコミュニケーションがとれ、言いたいことを包み隠さず言える意思疎通が図れる組織だったが、今はそれができていないと、声高に指摘する、ちょっと昔っぽい人もいます。

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