「君は不要だ」といわれたあなたが生き残る方法――タイムマシン・キャリアサカタカツミ「新しい会社のオキテ」(1/3 ページ)

» 2014年09月01日 09時35分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

著者プロフィール:サカタカツミ

 クリエイティブディレクター。就活や転職関連のサービスをプロデュースしたり、このような連載をしていたりする関係で、そちら方面のプロフェッショナルと思われがちだが、実は事業そのものやサービス、マーケティング、コミュニケーションの仕組みなどを開発するのが本来の仕事。

 直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」「MakersHub」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』『就職のオキテ』。この連載についても、個人的に書いているブログでサブノート的なエントリーを書く予定。Twitterアカウントは@KatsumiSakata


 前回のコラムは珍しく(?)私の周囲でもたくさん読まれたようで、記事への反応がダイレクトに伝わってきました。経営者、もしくはそれに準ずる人たちから寄せられたコメントの多くは、対象としていた読者の皆さんにとっては、当然、とても厳しいものでした。

 「しがみついてもらったら、会社としては困るばかり」

 「使えないと分かった時点で、自ら退場してもらうのが理想」

 「仕事ができない人の面倒を見るなど、ホント、勘弁してほしい」

 えーっと、その人たちを採用して、今まで仕事をしてもらっていて、育てていたのは、経営者である皆さまなのですが……とは思うものの、このくらいにしておきましょう。とにかく「旧システム」とレッテルを貼られてしまった皆さんは、その会社での居場所をあっという間に無くしかねない状態。危機はもう迫っています。先週のコラムで私は、

組織によってはしがみつくことさえ許さない、というところも少なくありません。現状維持が許される時間が少ないとなったら、次の打ち手を用意する必要があります。それが『タイムマシン・キャリア』です。

 と書きました。今日は、しがみつけないあなたのための、新しいキャリアプランの話を少しだけ。

タイムマシン経営ならぬ、タイムマシン・キャリア?

 「タイムマシン経営」という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。解釈の仕方によって、意味するところは異なりますが、かいつまんで言うと『他所で流行っているビジネスを、まだ流行っていない場所に持ち込んで商売をする』という感じでしょうか。米国でプチブレイクしたサービスが日本でもひっそりとオープン、しかも、米国の事業者が日本に展開したわけではなく、別の事業者がフォーマットだけ持ち込んで、というケースは、日常見かける風景です。

ソフトバンクの孫社長は以前、海外で成功したビジネスモデルを日本にいち早く持ち込んで展開することを「タイムマシン経営」と呼び、自ら実践していました

 これは、時間差を利用し「まだノウハウ(やシステム)がないところに、ノウハウを持ち込み、成功させる」という方法ですが、実は、キャリアプランにも応用ができるのです。ここまででピンと来た人も少なくないでしょう。

 ベンチャーから少しサイズアップしてきた組織だと、その組織サイズにふさわしい人材が必要になってきます。企業の成長を人間のそれに例えれば分かると思うのですが、子供から大人になる時に、必要なノウハウが増えてくるのと同じことです。企業も大人になるためには、そのノウハウを持っている、つまりは経験をしている人たちが必要になってくる、というシンプルな話です。

 「会社が大きくなってきたから、そろそろ総務部を作ろう」と検討している会社は、やはり総務経験者、それも役職についた人材を欲しがります。企業の成長の時間差を利用すれば、まだまだあなたが『必要とされる人材』である可能性は高い。しかし、当然のことながら、別の問題が出てきます。そう、もうお気づきですね?

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