この連載は書籍『部下育成の教科書』(ダイヤモンド社)から抜粋、再編集したものです
山田直人(やまだ・なおひと)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ研究員。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。多数の社会人向けトレーニングプログラム開発に従事。近年では、トランジション・デザイン・モデルの開発や、研修効果を高め受講者の職場実践を促進する研究及びサービス開発に携わる。
木越智彰(きこし・ともあき)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ研究員。京都大学文学部人文学科卒業。新人・若手向けを中心とした研修サービスの開発及び、中堅中小企業向け研修サービス「リクルートラーニングクラブ」のサービスを立ち上げ、外国人従業員の受け入れ・定着支援に携わる。
本杉健(もとすぎ・たけし)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ マネージャー兼主席研究員。一橋大学社会学部卒業。専攻は組織論。自動車、電機、通信、鉄道、銀行などの業界の企業にHRMソリューションサービスを提供。現在は企業における役割転換の調査・研究に携わる。
新たな段階を迎え、以前の段階から特に変えるべき意識・行動が出てきます。体験や周囲の関わりを通じて、学び、身につけてほしい意識・行動です。核心となる意識・行動には、「抑える」ものと「伸ばす」ものがあります。
「伸ばす」については言うまでもありませんが、「抑える」は聞き慣れないかもしれません。簡単に言うと、これまでの意識を卒業する、これまでやっていた言動をやめるということです。先ほど、トランジションには苦労がつきものと言いましたが、それは「伸ばす」だけでなく同時に両輪として「抑える」ことを身につける必要があるからです。
(1)スターター(Starter)へのトランジション
抑える:必要なことは教えてくれるもの、与えられるものという「待ち」の姿勢でいる
伸ばす:自分(部下自身)の言動が相手にどう伝わるかを意識する
(2)プレイヤー(Player)へのトランジション
抑える:できない理由ばかりを並べて、できることは何かを探そうとしない
伸ばす:相手の言わんとしていること(内容、意図、期待)をしっかりと聴き、把握する
(3)メインプレイヤー(Main Player)へのトランジション
抑える:関係者やチームワークに気を配らず、自分の仕事ばかりに没頭する
伸ばす:関係者に自ら働きかけ、協力を引き出せる関係性を築く
(4)リーディングプレイヤー(Leading Player)へのトランジション
抑える:他のメンバーを動かすよりも、自分で直接手を動かすことで仕事をこなしてしまう
伸ばす:課やチームの成果を最大化するために、今自分が最もやるべきことは何かを考える
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