Appleの「Touch ID」登場以降、モバイルデバイスで急速に普及が進む生体認証。その手軽さと安全性を評価する声は多いが、考慮すべき課題もある。
ジェームズ・ボンドが主人公の映画『007 スカイフォール』では、ボンドが持つピストルは、ボンドが持たない限り発砲しない。ボンドの生体情報を検知するからだ。ボンドに向けてボンドのピストルを使うことは、ボンド以外の何者にもできない。
こうした生体認証機能を備えた武器は、まだ市場には出ていない。一方でモバイルデバイスでは、Appleの指紋認証機能「Touch ID」の登場をきっかけに、生体認証はおなじみの認証手段となった。モバイル生体認証は、指紋や虹彩、顔、音声を認識するソフトウェアを使用して、モバイルデバイスユーザーを危険から保護する。
モバイル生体認証が、自社の環境に適合するかどうかを知ることは重要だ。認証の強化によってデータを適切に保護することは、個人情報漏えいの原因になり得る、より大きなセキュリティの問題の発生を防ぐことにも役立つ。本稿ではモバイル生体認証がビジネスに与える影響、生体認証の使用にまつわる論争、認証の未来について解説する。
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