製薬企業の営業・マーケ部隊をITで支援する2つの方向性とは?ライフサイエンス企業のCIOが描く成長戦略【第2回】(1/3 ページ)

MR(医薬情報担当者)の多くは、顧客である医師と5分以内の面談時間で情報提供をしているというデータがある。このような制約下で営業・マーケティング部隊の生産性を高めるためにITが貢献できることは何だろうか。

2017年01月10日 09時00分 公開
[金子直美, 出木場 秀二アイ・エム・エス・ジャパン]

連載について

本連載では「ライフサイエンス企業におけるITの現状と課題」をテーマに、ライフサイエンス企業の中でも特に製薬業界でのIT事情を解説する。初回の全体像の紹介に続き、「制約された環境下におけるプロモーション」「情報プラットフォーム」「CIO(最高情報責任者)やIT部門の役割と展望」と全4回の連載で各項目を解説する。


 第1回「製薬企業のIT部門は販促活動の環境変化に備えよ――知っておくべき技術トレンド」ではライフサイエンス企業、中でも特に製薬企業のIT部門を取り巻く現状と環境変化について俯瞰した。医薬品や業界の特殊性から生じるさまざまな制約条件下でも、製薬企業の営業・マーケティングの現場にはビジネスの成功をリードするというミッションがあるのだ。

 連載第2回では、制約のある環境下でのプロモーションに関して、現場のニーズや課題、IT活用事例を紹介し、それを踏まえてIT部門に期待される「テクノロジー面のチャレンジ」について解説する。なお、日本製薬工業協会では「『プロモーション』とは、いわゆる『販売促進』ではなく、『医療関係者に医薬情報を提供・収集・伝達し、それらに基づき医療用医薬品の適正な使用と普及を図ること』」と位置付けており、本連載でもこの定義にのっとり記載している。

製薬企業の営業・マーケティング活動を取り巻く制約条件

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